予選3位の佐藤琢磨が謎のクラッシュ。インディカーはもう終盤戦 (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 パワーは3年連続でタイトルを取り逃した経歴の持ち主だ。いずれの年もランキング2位で涙を飲んだ。今、彼は初タイトルを目指すパジェノーの苦悩が手にとるようにわかるだろう。

「ダリオ・フランキッティにタイトル争いで敗れた時、自分の方が速いのにチャンピオンになれないことが納得できず、悔しい思いをした。しかし今、自分には豊富な経験があり、それを活かして今日のレースでは勝つことができた。経験を基に勝っていたフランキッティに対しては、今は当時以上に大きな敬意を持っている」と、パワーは語る。精神的な余裕は、パジェノーのそれを遥かに上回っている。

 一方、今シーズンのベストリザルトが4位の佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)は、事前テストも行なって入念に準備を進め、ポコノで表彰台、あるいは優勝を狙っていた。今回の500マイルレースは、フォイト・チームのメインスポンサーとなって12年目を迎えているABCサプライがタイトルスポンサー。琢磨とジャック・ホークスワースはホストドライバーと言うべき立場だった。

 そんな重要なレースで琢磨は予選3位に食い込んでみせた。プラクティス1ではトップ10に入れていなかったが、予選用のマシン・セッティングは的確なものに改善。2013年のポコノで予選4位になっている琢磨だが、今回はコース自己ベストで、今シーズンのベストグリッド獲得でもあった。

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