予選3位の佐藤琢磨が謎のクラッシュ。インディカーはもう終盤戦 (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 ミッド・オハイオで勝って初タイトルに大きく近づいたパジェノーは、「こういうレースこそ僕らが見せていくべきものだ」と、自らのアグレッシブな走りを自賛し、「失うものは何もないのだから、残りのレースでもとにかく攻め続ける」と語っていた。しかし、ポコノでの彼は、「確実に上位でフィニッシュし、ポイントを稼ぎたい」という守りの姿勢で戦っているように映った。

 逆にパワーは、「優勝あるのみ!」という攻めのレースを戦っていた。ピットストップでセッティング変更を重ねて、最終的に最速のマシンに仕上げ、ポールシッターで最後まで優勝争いに残っていたミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)にゴール前10周のバトルでも逆転のチャンスを与えなかった。

 パジェノーはいまだにポイントリードを保っている。しかし、せっかく取り戻した流れを再び宿敵パワーの元へと手放してしまった感がある。残り3戦では彼のメンタルタフネスが試される。チャンピオンになるには、このように大きな壁を乗り越える必要がある。

 対するパワーは、ポコノでの勝利で完全に勢いに乗った。今週末はテキサスで、その次の週末はワトキンス・グレンというロードコースでのレースが行なわれる。どちらのサーキットでもパワーは優勝経験がある。

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