F1後半戦。「紳士をやめた」ロズベルグが
ハミルトンに反撃開始

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

後半戦もメルセデスAMG同士の激しいバトルが見られそうだ後半戦もメルセデスAMG同士の激しいバトルが見られそうだ この決定は、ドライバーたちの意向に沿ったものでもある。自由に戦うことができる環境を、彼ら自身も望んでいる。

 だからこそ今後、両者がふたたび衝突する可能性は極めて高いと言える。

 速さの拮抗したふたりがタイトルをかけて争うのだから、当然だ。ましてや、ロズベルグは強い自分へと変わろうとしている。ドイツGPではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に対して仕掛け、ブレーキングゾーンでラインを変えてくる相手に対して一歩も退かず、強引にオーバーテイクをしてみせた。

 タイトルの行方がかかる重要な場面では、コクピットの極限状態で戦うふたりにとって、紳士協定など無意味だろう。"紳士"などであっては、勝負に勝つことはできないのだから。シーズン後半戦は間違いなく、そんな場面を目にすることになるだろう。

 ハミルトンはシーズン序盤に相次いでパワーユニットのトラブルに見舞われ、すでに第9戦・オーストリアGPの時点で5基目のTC(ターボチャージャー)とMGU-H(※)を投入してしまっており、年間5基の規定を超えるコンポーネント使用でグリッド降格ペナルティは避けられない情勢だ。つまり、1~2戦は優勝争いをあきらめなければならない。

※MGU-H=Motor Generator Unit-Heat/排気ガスから熱エネルギーを回生する装置。

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