カル・クラッチローがMotoGP初優勝なんと英国人は35年ぶり (4ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「路面に水があるときはタイヤがスピンして厳しかったけど、すぐに水が減ってきた。やがて5周目くらいに先頭集団が見えてきて、『よし、ウェットでトップグループが見えるならチャンスがあるぞ』と思った。普通なら、5周くらいしたらトップグループが見えなくなってしまうんだけどね(笑)。先頭集団の後方に追いついたときも、彼らはどんどん厳しくなってきてタイムが落ちていたけど、僕はどんどん速くなっていた。その段階で、『これは勝てるかもな』と思った」

 2位に入ったバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)や、3位でランキング首位を確保したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が、レース直後に笑顔でクラッチローと抱擁を交わして祝福した事実にも、皆から愛される彼の人柄がよく表れている。

 次戦はシルバーストーン・サーキットで開催される第12戦・イギリスGP。イギリスの人々にとっては、まさに最高の形で自国のレースウィークを迎えることになる。

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