カル・クラッチローがMotoGP初優勝なんと英国人は35年ぶり (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 クラッチローがMotoGPに参戦を開始したのは2011年。ヤマハ・サテライトチームに3年間在籍し、1年間のドゥカティ・ファクトリーを経て、2015年に今のチームへ移籍した。

「MotoGPに来てこの6年間は一度も勝ったことがなくて、優勝したのは自転車レースくらいだったからね」とジョーク混じりに話すとおり、自転車好きとしてもよく知られた人物だ。クラッチローは現在、英国領マン島に暮らしており、同島出身のプロフェッショナル自転車ロードレーサー、マーク・カヴェンディッシュとも親交が深い。タイミングが合えば一緒にトレーニングをする間柄で、このエピソードをみても、サイクルロードレーサーとしてクラッチローが高い競技水準を備えていることがよくわかる。

 以前、カヴェンディッシュについて訊ねた際に、「ああ、カヴかい? あいつは俺より遅いぜ」と冗談めかした言葉が彼から返ってきたことがあったが、それくらい彼らふたりは仲がよく、また、それぞれの競技のトップアスリートとして敬意を抱く間柄だということがよくうかがえる口ぶりだった。実際、カヴェンディッシュはクラッチローの優勝直後に、自身の公式ツイッターアカウントで祝福メッセージを贈っている。

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