佐藤琢磨、今季最高の4位目前で追突される。この不幸の原因は? (4ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

「僕らは安定したレースペースを刻めていたけれど、上位を走れたのはチームの作戦がよかったから。まだトップグループとの間にはラップタイムの差があった。また、ゴール前のバトルで燃費が厳しくなり、ムニョスに引き離された。同じ周にピットしながら、そういうことになったのは僕らのチームの燃費計算が慎重過ぎるからだ。ゴール後にストップしたマシンが何台かあったけれど、(実際には燃費に余裕があったので)僕らはピットまで問題なく帰ってこられた。燃費計算でも、もっともっと攻めないといけない。もし今日の僕らがそれをできていたら、ブルデーに接近を許すこともなかったから、追突されることもなかった」

 AJ・フォイト・レーシングはエンジニアリング部門を強化し、ピットストップのスピードと確実性を上げ、作戦力も向上させてきている。しかし、コースによってはまだマシンのパフォーマンスが低く、予選におけるスピード不足は多くのコースでの課題だ。コースによってはホンダのエアロキットがシボレーのそれに対して劣勢にあるのも事実だが、今シーズンの琢磨たちはホンダ勢のトップとなるケースがほとんどない。

 フォイトの名を再びトップに押し上げるためには、チームの総合力を高めなければならない。その中心的存在となることを期待されて起用され続けている琢磨は、時としてチームに苦言を呈する役割も担う。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る