佐藤琢磨、今季最高の4位目前で追突される。この不幸の原因は? (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 琢磨はハードコンパウンドのタイヤ装着でありながら、スタートで19位へひとつ順位を上げた。12周で早々と最初のピットストップを行なうと、幸運にも3周後にフルコースコーション発生。まだピットしていなかった上位陣がピットに向ったことで8番手へ。リスタートで今年のデトロイト・レース1で優勝しているセバスチャン・ブルデー(KVSHレーシング)をパスして7番手となった。

 レースでも一発の速さはトップレベルになかった琢磨だが、彼の14号車には安定したラップタイムを刻み続ける力が備わっていた。燃費のセーブも心がけつつ、琢磨はブルデーにアタックのチャンスを与えないだけの間隔を保ち、上位のポジションを維持し続けた。

 90周のレースが残り30周を切ってから、琢磨のチームメイトのジャック・ホークスワースがコースアウトし、2回目のフルコースコーション。このタイミングでピットすれば、ゴールまで走り切ることは十分可能な状況だ。この直前にピットインしていたコナー・デイリー(デイル・コイン・レーシング)と、周回遅れのドライバーを除く全員がピットロードへと雪崩れ込んだ。

 この大事なピットストップで、トップを走っていたミカイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)は他車と接触し、初優勝のチャンスを潰してしまった。琢磨はピットストップでチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)に先行されて6番手となったが、リスタート周でそのキンボールはコースオフし、琢磨は5番手に浮上した。

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