ホンダF1後半戦は「逆襲できる」。夏休み中も栃木で絶賛開発中 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 もっとも回転数が高くなるストレートの最後の50mや100mでスロットルを戻し、できるだけタイムロスのない範囲で燃費を稼ぐ。"リフト&コースト(※)"と呼ばれるテクニックは、レースではもっとも効率のよい燃費走法だ。

※リフト&コースト=ドライバーがアクセルをオフにして惰性でクルマを走らせること。

「ダッシュボード上の(理想値に対する現状差を表す)プラスマイナスの数字を見て、ドライバーが自分で調整するんですが、本当によくやってくれるなと思います。最後はコンマ何%かの差、つまり残っている燃料がたったの200gとかですからね」(長谷川総責任者)

 ライバルたちと戦いながら、巧みに燃費セーブをして、305kmのレースを100kgの燃料で走り切る。パワーで劣るパワーユニットを巧みに操りながら。

 もちろん、全開率がもっと高く、燃費がもっと厳しいはずのサーキットは他にもあった。しかし、レースとしてこれだけ厳しかったのは、戦う相手がウイリアムズやフォースインディア、つまり中団グループのトップになったからだ。

「たとえばロシアGPも燃費は厳しかったですが、あのときは燃費セーブをしながら戦っていた相手がルノーやハースだったわけです。でも今は、フォースインディアやウイリアムズやトロロッソと戦っているわけですから、それだけ一段ステージが上がっているわけです。彼らと戦いながら燃費をセーブするというのは、はっきり言って無理ですから」

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