ホンダF1後半戦は「逆襲できる」。夏休み中も栃木で絶賛開発中 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 予選でパワーの差がタイムに直結するということは、決勝では燃費が競争力に直結することになる。

 一般論として、パワーが小さければ、それだけ燃料消費は少ないように思われがちだ。よりパワフルなメルセデスAMGのほうが、ホンダよりも多量の燃料を消費しているのだと。

 しかし、F1のパワーユニットは最大100kg/hという燃料流量制限のもとで回っている。つまり、使う燃料量は同じ。その上でこの出力差が出ている。

 ということは、パワーの小さいパワーユニットのほうが燃費効率は悪いのだ。

 ルノーがモナコGPで燃焼室を完全刷新するアップグレードを施して以来、4メーカーでもっとも出力が乏しいホンダのパワーユニットは、もっとも燃費が悪いパワーユニットでもあるということになる。となれば、100kgの燃料しか使うことができない決勝では、他車よりも燃費セーブをしなければならなくなる。

「かなり燃費セーブをしなければならなかったよ。特に最後の10周は厳しかったね。常にステアリング上のダッシュボード(液晶ディスプレイ)を見ながら、どれだけ燃料をセーブしなければならないのかを確認して走っていたんだ」

 8位でフィニッシュしたバトンは言った。その表情には、ストレートエンドでスロットルを戻さなければならないというフラストレーションの跡がはっきりと見えた。

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