鈴鹿8耐は「ヤマハ2連覇」。リベンジ期すホンダを返り討ち (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「明日は、スタートライダーを務める中須賀さんがパワフルな走りを発揮してくれると思うので、楽しみにしている」

 そのエスパルガロの期待どおり、日曜午前11時30分にスタートしたレースでは、速さ、強さ、巧さをすべて併せ持つ中須賀が序盤から高い安定感で先頭グループを走行。1時間を走り終えてトップの順位でピットへ戻り、ロウズに交代した。ロウズは切れ味の鋭い走りで、次々と眼前に現れるバックマーカー(周回遅れ)たちを鮮やかに処理しながら、トップの位置を保ち続けた。3番目の走行になったエスパルガロも、中須賀とロウズが築いたアドバンテージをさらに大きく伸ばした。

 以後の走行でも、3人はまったく隙のない安定性を維持しながら、高水準のスピードで灼熱の鈴鹿サーキットを走り切った。日没後の午後7時30分にロウズがトップでチェッカーを受けたとき、彼らが8時間のあいだに積み重ねた周回数は、レース前に辻が目標として述べた217周を上回る218ラップを記録していた。

 3人のライダーたちはそれぞれの表現で、自分たちの喜びを表した。

「ウィークを通して今日がもっとも暑かったので、コンディション的には厳しいレースだったが、(序盤1時間の)ラスト10ラップでトップに立ってからは、しっかりとペースを掴んで走ることができた。チームスタッフとライダーがそれぞれ自分の仕事をしっかりこなせたことが、今回の勝利につながったと思う」(中須賀)

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