大苦戦のスーパーフォーミュラ。
小林可夢偉「ゼロからの再スタート」
だからこそ、適正なタイヤ内圧で走れなかったことも痛かった。できることなら、ここでしっかりとデータを蓄積しておきたかったからだ。
チーム・ルマンと可夢偉は、まさにこれまでの方法論を捨てて、白紙から再構築を始めたばかりなのだ。
「ゼロからの再スタート。まだ、勝てるとかそういうレベルじゃない。それはわかったうえで、この道を選んだんです」
マシンもチームも、ゼロからの再出発――。
長年にわたって積み上げてきたものを捨て、もう一度新たな道を進むというのは、言葉で言うほどたやすいものではない。可夢偉のように自由な発想でチャレンジできる人間だからこそ、挑むことができる挑戦。チームも、そこに飛び込む決意をした。
可夢偉の新たな挑戦は、始まったばかりだ。
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