大苦戦のスーパーフォーミュラ。小林可夢偉「ゼロからの再スタート」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・写真 text & photo by Yoneya Mineoki

フロントタイヤを触りながらセッティングを考える小林可夢偉フロントタイヤを触りながらセッティングを考える小林可夢偉 開幕戦の鈴鹿で「この現実から逃げない」と話した可夢偉は、その後も時間を見つけてはチームのファクトリーに通い、問題点の洗い出しに力を注いできた。開幕戦でタイヤ交換時にリアタイヤが外れたのは、ホイールナットを締めるホイールガンの整備不良だとわかり、それ以外にも見直すべき箇所はいくつもあったようだ。

 ヨコハマタイヤに変わった今年に入ってからも、チームはブリヂストン時代の経験と方法論の延長線上でマシンセットアップをしてきた。しかし、セルモやインパルといった速いチームを見れば、異なる方法論でマシン作りをしている。具体的に言えば、マシン挙動の根幹のひとつであるロールセンターの位置を高く設定していた。これによって、マシン作りはガラリと変わる。脚回りやデフをはじめとして、さまざまな箇所をそれに合わせ込んでいかなければならない。

 金曜の練習走行では、これまでに使ったことのないリアダンパーが搭載されていた。タイムは下位に沈んだが、これは「何か理由があったとかではなく、単純に遅かった」という。

「金曜から残念ながらずっと雨で、セッティングの確認ができないままレースになってしまって......。完全なドライはレース前の8分間だけやから、フロントウイングを調整したくらいしかできなかった(苦笑)。だから結構、ギャンブルしてレースに臨んだんです。それがあんまりいい方向に行かなかったなっていう今週末でした」

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