大苦戦のスーパーフォーミュラ。小林可夢偉「ゼロからの再スタート」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・写真 text & photo by Yoneya Mineoki

「入ってくるぞ! おい! メカニックッ!」

 決勝の最中にも、スーパーGTで監督を務める元ドライバー・脇阪寿一の怒鳴り声がピットガレージに響いていた。

 セーフティカーの先導中に新品タイヤに交換してしまおうと、可夢偉がピットに入ってきた。しかし、肝心のタイヤ内圧が調整されておらず、間に合わない。慌てた雰囲気のなか、チームは朝の走行で使った中古のタイヤをつけて可夢偉のマシンを送り出した。

「1セット目の内圧設定が低すぎて外してたんで、どうせセーフティカーが入ってるなら、その間にピットインして希望どおりの内圧にしたニュータイヤに換えて走りたいなって(山田健二エンジニアと)話してた。それで入ったんですけど、内圧の設定ができてなくて、『朝のウォームアップで走ったタイヤだから』って言われて。それは結構、高めの内圧設定やったんです。だから、最後まで希望どおりの内圧で走れないまま終わっちゃった。低すぎるのと高すぎるので、中間はないんかい!っていう感じで......」

 可夢偉はこの第3戦に、大きな決意を持って臨んでいた。

「今年はスーパーフォーミュラを盛り上げるためにいろいろやろうと思ったけど、走ってみたら思いのほか自分が遅いから、今はまだおとなしくしてる。まずはこのスランプから立て直すために、取り組んでるところなんですよ」

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