佐藤琢磨がドッグファイト。トロントで予選20位から今季最高5位へ (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 決勝日午前中のプラクティスで、琢磨はマシンセッティングを一気に向上させた。とは言うものの、市街地コースで20番手スタートからの上位進出は至難の技だ。運や作戦も必要になる。そして、トロントでのAJ・フォイト・レーシングは見事な作戦力を見せた。

 85周のレースで、終盤に燃費がキツくなるのを承知で47周目に2回目のピットストップ。すると58周目にアクシデントが発生し、フルコースコーションに。ここでトップグループはピットに入ったが、琢磨はコース上にステイアウトし、一気にポジションを4番手に上げた。

  予選12位だったトニー・カナーン(チップ・ガナッシ・レーシング・チームズ)がトップで、2番手は予選4位のパワー。3番手に予選6位のジェームズ・ヒ ンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)。琢磨の後ろには予選2位だったエリオ・カストロネベス(ペンスキー)......ツワモノたちに囲ま れて62周目、琢磨はリスタートを切った。

 表彰台のチャンスを掴んだ琢磨は、ハイペースでのドッグファイトを堂々と戦った。燃費セーブも しながらだ。しかし、カストロネベスのアタックは執拗で、4番手の座は明け渡した。カナーンは短い給油を行なっても琢磨の前に戻った。そして、最後にはミ カイル・アレシン(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)が背後から攻撃を仕掛けてきた。

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