佐藤琢磨がドッグファイト。トロントで予選20位から今季最高5位へ (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 パワーは2010年から3年連続でランキング2位に泣き、チャンピオンになり損ねた。それだけにタイトル未経験のドライバーが追われる立場になった時、どれだけ大きなプレッシャーがのしかかるのかを知っている。

  そんなパワーはパジェノーを、「ヤツの戦いぶりは間違ってない。全然ビビってない。すべてのレースで上位に顔を出している」と評した。そして、「流れって いうのはいつも同じところに留まっていてくれない。よくなったり、悪くなったりを繰り返す。その悪い時に、悪いなりに最善の結果を手にすることが大事。そ れがチャンピオンへと繋がるんだ」と語る。 

 1週間のインターバルを置いて行なわれるミッドオハイオでのレース(7月31日)は、今シー ズンのタイトル争いで大きなポイントになるだろう。パワーが流れをさらに自分のもとへと引き込むのか、パジェノーが1週のオフを味方につけて態勢を立て直 し、再びリードを広げていくのか。

 17日のトロントでは佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)の戦いぶりもエキサイティングだった。

 プラクティスが2回行なわれた金曜日に快調な滑り出しを見せた琢磨だったが、土曜日に急減速。予選でもマシンがまったく決まらず、22台出場中の20位という惨憺たるグリッドしか得られなかった。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る