アロンソ爆発寸前。マクラーレンの消極策と「小学生レベルのミス」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 その背景には、ビッグチームゆえの難しさもあるのだと、あるチーム関係者は語る。

「ミスをすればクビになる。だから、大きな失敗をしない保守的な戦略に流れがちになってしまう。それが大きな組織というものだ」

 マクラーレン・ホンダは地元レースであるイギリスGPに、さらなるアップデートを持ち込んできた。ここでしっかりと結果を出したいという気持ちは、はっきりと表れていた。

 ホンダは2トークン(※)を使用してICE(内燃機関エンジン)の吸気系を変更し、出力を向上させてきた。何十馬力ものパワーアップは燃焼室自体の変更を施す夏休み明けまで待たなければならないが、それでもラップタイムにして0.1~0.2秒ほどのゲインはあった。

※ パワーユニットの信頼性に問題があった場合、FIAに認められれば改良が許されるが、性能が向上するような改良・開発は認められていない。ただし、「トークン」と呼ばれるポイント制による特例開発だけが認められている。各メーカーは与えられた「トークン」の範囲内で開発箇所を選ぶことができる。

「吸気抵抗を減らし、燃焼効率を上げるためにエアボックスのあたりを変更しました。ドライバーは『すごくよくなった!』というようなことは言っていませんけ ど、ベンチ上では明らかに出力向上の取り分は出ていますし、それも結構大きな取り分です。このアップデートがなければQ3進出は厳しかったでしょうし、ト ラックリミット違反(コースはみ出し)で抹消されはしましたが、ウイリアムズまで0.1秒差の8位のタイムを出せたというのは、非常に勇気づけられる結果です」(長谷川総責任者)

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