アロンソ爆発寸前。マクラーレンの消極策と
「小学生レベルのミス」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 リスクを背負ってでも上を目指そうという意識が弱く、コンサバティブな戦略に終始する。それも2台がほとんど同じ戦略で――。そんなレースが、今季のマクラーレン・ホンダには何度も見られてきた。

「どうせ浮上の望みのない入賞圏外を走っているのなら、1台はギャンブル的な戦略を採らせてもよかったのではないか?」

 パドックでは、レース後にそんな声が何度も聞かれた。

 イギリスGPは濡れた路面に足をすくわれたアロンソの"720度スピン"もあり、12位・13位というノーポイントに終わってしまった。

 レース後のブリーフィングでは、「戦略が失敗だった。トライしていればよかった」という反省がいつものように繰り返されたという。

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者は、マクラーレンのストラテジスト(レース戦略担当エンジニア)を責めることはできないと擁護するが、アロンソと同じように、このレースに限らずトライする姿勢が足りないことも指摘した。

「マクラーレンのストラテジストとも話したんですが、終わって結果を見てからなら何とでも言えるけど、その時点ではどちらに転ぶかわからなかったということでした。インターミディエイトからドライへの交換も、(早めに動いた)ベッテルと同時に入っていればよかったと言っていましたが、それも結果論でしかありま せんからね。ストラテジストを責める気はありませんけど、周りのみんなとまったく同じ戦略でしたから、ベッテルのように『換えるなら早めに換えちゃえ!』 といったように、(早く換えるか引っ張るか)どちらかにリスクを取らなかったのは残念でした」

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