【F1】枯れ葉、ゴミ、仮舗装。世界遺産の難コースをベッテルのみ大歓迎 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 最初の走行セッションとなった金曜のフリー走行1回目では、無数のタイヤの接地面に「通常の走行では説明不能なカット」が見つかり、ピレリは大急ぎでタイヤを回収して調査を行なうとともに、FIAもサーキットの確認を行なうことになった。その結果、路面にボルト留めされた鉄板の縁石が複数箇所で緩み、段差でタイヤを傷めていたことが判明した。

 そのためサーキット側は急きょ、縁石とボルトの溶接作業を行なうこととなり、フリー走行後に予定されていたGP2の予選セッションは各車がコースインして1周しただけで中止。その後のF1のフリー走行2回目も、直前まで開始が危ぶまれていたほどだった。

 また、走行中もいくつかの縁石に不備が見つかり、触らずに走行するようチーム側に通達されたほどだ。金曜の夜にコース各所で改修作業が行なわれたが、土曜日になってもピットレーンで排水溝のフタが外れ、直撃を受けたウイリアムズのバルテリ・ボッタスはラジエーターまで損傷し、セッションを棒に振ってしまった。

 事前に清掃車による作業が行なわれたものの、路面は非常にダスティで、枯れ葉やオイル処理跡も目立った。ゴミ袋のような飛来物もあり、キミ・ライコネンはレース中に大きなビニールシートがマシンに巻き付いてしまった。もしラジエーターに入ってしまえば、深刻なオーバーヒートを引き起こした可能性もある。木曜の視察時点では路面にナットや金属片などが落ちており、サーキット保守整備という点でも疑問が残った。

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