【F1】枯れ葉、ゴミ、仮舗装。
世界遺産の難コースをベッテルのみ大歓迎

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「ランオフエリアが狭すぎたり、ほとんどない箇所もある。我々ドライバーは安全対策を推進してきたのに、これでは逆行だ」(ジェンソン・バトン)

「安全だというFIAの判断を信じているけど、ターン3やターン14のランオフエリアのなさを見ると、疑問を感じてしまう」(ニコ・ロズベルグ)

「1台しか通れないところもあるし、コースの進路に対してランオフエリアが別の方向を向いている箇所もある。ターンインをあきらめるなら早めに逃げないと、すべてを失ってしまうだろう」(セルジオ・ペレス)

 何人かのドライバーは事前チェックの時点で疑問の声を上げたが、セバスチャン・ベッテルのように、「僕らは難しいことにチャレンジするため、ここにいるんだから問題ない。とてもエキサイティングなコースだ。ランオフエリアなんて使うつもりはないしね!」と前向きにとらえる声も多かった。

 GP2ではクラッシュも多発したが、F1では大きな混乱は見られなかった。ルイス・ハミルトンやダニエル・リカルドといった名手がウォールの餌食になったが、モナコGPほどの事故多発ではなく、決勝でもGP2のような多重事故は起きず、パドックでは「さすがF1ドライバー」という声も聞こえてきた。

 しかし、見えないところで問題は多発していた。

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