2016.06.20

トヨタの悲願達成ならず。中嶋一貴が語ったル・マン24時間のラスト3分

  • 川喜田研●取材・文 text by Kawakita Ken 写真提供:トヨタ自動車

「最後まで無事であってほしいと、祈るような気持ちでドライブしていたけれど、まさかあのタイミングで止まるとは思っていませんでした。僕は普段からどんなに悪い事があっても、可能性がゼロでない限り、ものごとをポジティブに捉えようと思っているのですが、さすがにあの時は何もできなかった……。

 これもレースですから仕方ないんですが、実は2014年にも似たような展開があって(※2014年のル・マンでは中嶋一貴がトップを快走しながら、ゴールまで残り9時間で電気系のトラブルに遭い、そのままリタイア)。さすがに、自分が何か悪いモノを『持ってる』んじゃないかと思いそうになりますね……。

 でも、限りなく、本当に限りなくル・マン制覇というゴールには近づいているんだと考えて、前を向いて進むしかないと思っています。来年のル・マンで絶対に勝つ。それは本当に自分の目の前にあったのですから」

 つらい気持ちを必死に押し潰しながら、中嶋は笑顔で語った。

トヨタ6号車は2位表彰台を獲得した 結果的に2位表彰台を獲得した小林可夢偉たちの6号車の健闘も含めて、今年のトヨタは本当に「王者に値する戦い」を見せてくれた。これ以上ないほど高い緊張感のなか、マシンとチームとドライバーが最高のパフォーマンスを発揮し続けたその見事な戦いぶりは、ル・マン24時間の歴史のなかでも後世に語り継がれるに違いない。