トヨタ悲願のル・マン24時間優勝を果たすのは小林可夢偉か、中嶋一貴か (4ページ目)

  • 川喜田研●取材・文 text by Kawakita Ken

 ポルシェは昨年と同じ構成の「2リッターV4ターボ+最大8メガジュールのハイブリッドシステム」の進化版。フリー走行から予選を通じて大きなトラブルもなく、着々とプログラムを消化する姿は王者の余裕すら感じさせる。 

決勝は6月18日(土)、現地時間午後3時(日本時間18日午後10時)にスタート /提供:トヨタ自動車決勝は6月18日(土)、現地時間午後3時(日本時間18日午後10時)にスタート /提供:トヨタ自動車 一方、予選5位、6位のアウディはトヨタ同様にシステムを一新し「4リッターV6の直噴ターボ・ディーゼル+6メガジュールのハイブリッドシステム」を採用(昨年は4メガジュール)。

 こちらもエネルギー・ストレージをリチウムイオン電池に変更し、車体も「まったくの新設計」と言っていいほど大幅な改良を加えるなど大きな戦闘力アップを実現している。

 トヨタを含めた3メーカーのマシンがいずれも、エンジンと電気モーターを合わせた総合出力で1000馬力近いパワーを発揮する「究極のハイブリッドカー」となり、予選結果を見る限り、3メーカーの実力差はこれまでにないほど接近していると言っていいだろう。

 ちなみに、昨年は3台体制だったポルシェとアウディも今年は体制を縮小し、トヨタと同じ2台のみのエントリーであり、体制面でのハンディキャップもなくなった。

 1996年のル・マン初参戦から今年で30年目を迎えながら、最高成績が過去4回の2位入賞に終わっているトヨタ。今度こそ表彰台の真ん中に立つ姿を見せることができるのか? そしてその時、歓喜の輪の中にいるのは一貴か、それとも可夢偉か?

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