ホンダも疑問。ドライバーの
モチベーションを奪ったチーム戦略

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

予選で10位・12位につけていたマクラーレン・ホンダだが......予選で10位・12位につけていたマクラーレン・ホンダだが...... ダウンフォースをつけてブレーキング時の安定性を武器にタイムを稼ぎ、ストレートの最高速が遅くともラップタイムが速ければ構わない予選では、トップ10に食い込んだ。しかし、エネルギー回生をすべてパフォーマンス側に使い、ダウンフォースをつけて空気抵抗が大きくなったことでも燃費は厳しくなり、決勝ではつらい戦いを強いられた。

 長い全開区間がある上海サーキットでも突きつけられた現実が、ふたたび襲いかかってきた。TCの改良は明らかに効果があったが、やはりICEを改良し、パワーユニットの出力アップを果たさなければ、次のステップには進めない。

「データ上では明らかに効果は出ていますけど、それがレース結果につながるほどではなかった。燃費セーブを完全になくすほどのものではなかった。中国GPと同じで、そういうレベルの実力であるということを、また改めて思い知らされました。(ICEの出力アップで)パフォーマンスの改善をしないと、状況は変わらないということが明確になったということです」

 決勝後、また降り出した雨を恨めしそうに見やりながら、長谷川は言った。

 雨に頼ってなどいられない。次のステップに進むため、『HRD Sakura』ではICEの改良開発が今も急ピッチで進められている。

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