インディ第8戦でウィル・パワー復活。佐藤琢磨はマシンが決まらず沈む (4ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 再起を誓って臨んだ今シーズンは、開幕戦でポールポジションを獲った後、体調を崩して決勝を欠場。悪い流れを断ち切れず、勝ちたくて仕方のないインディ500もいいところなしで終わり、デトロイトを迎えていた。今回の勝利でスパッと吹っ切れて、また以前のパワーのような速さが蘇ってほしいものだ。開幕5戦で3勝したシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)がこのまま逃げ切ったのではおもしろくない。
 
 佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)はパワーとは逆に、短いプラクティスで思うように力を発揮できなかった。ペンスキー、アンドレッティ・オートスポート、チップ・ガナッシ・レーシング・チームズの3強より2台少ない2カー体制で戦う琢磨。チームメイトのジャック・ホークスワースは、予選1回目と1レース目の両方でマシントラブルに見舞われ、どちらも1周も走れなかった。マシンが決まりきらずに少しでも多くのデータが欲しい状況だというのに、悪い時には悪いことが重なるものだ。

 走るたびにマシンに変更を加え、レース中のピットストップでもセッティングを調整し続けた結果、琢磨は2レース目の半ばになって、トップグループと遜色のないペースで走ることができるようになった。

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