異例のMotoGP「玉突き移籍」で貧乏クジを引いたライダーは? (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 ともあれ、現ヤマハファクトリーの両選手がそれぞれ来季の所属を明らかにしたことにより、ロッシのチームメイトが果たして誰になるのか、また、ロレンソの移籍先であるドゥカティファクトリーは、アンドレア・ドヴィツィオーゾとアンドレア・イアンノーネのどちらが残ってどちらが出て行くのか......等々、必然的に発生する"玉突き"状況に、にわかに注目が集まることになった。

 なかでも、もっとも大きな関心の的になったのが、現在21歳のスペイン人選手――マーベリック・ビニャーレスの行方だ。ビニャーレスは2013年にMoto3クラスでチャンピオンを獲得し、Moto2クラスに昇格した2014年は2戦目でいきなり優勝。チャンピオン争いを繰り広げて、年間ランキングを3位で終えた。

 2015年からはMotoGPに復帰したスズキとファクトリー契約を交わし、今年で最高峰2年目を迎える。この世界の将来を担う逸材であることは万人の認めるところで、5月8日に決勝レースが行なわれた第5戦・フランスGPでは、MotoGP初表彰台の3位を獲得した。彼を巡るさまざまな憶測や情報が飛び交うなか、第6戦・イタリアGPを目前に事態が一気に動いた。

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