第100回インディ500予選はホンダ勢優勢。佐藤琢磨も闘志「満タン」 (4ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano   松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 2012年、ダリオ・フランキッティとバトルし、最終ラップのターン1で彼のインへと飛び込んだのが佐藤琢磨だった。思い切りラインを寄せてきた相手に対して、クリーンに勝ちたかった琢磨は接触を避けてコースのイン側に下り過ぎ、クラッシュ。あと一歩で優勝を逃したのだった。結果は17位だったが、この時の戦いぶりで、琢磨はアメリカのファンの心を掴んだ。インディ500で勝つためのマシン作り、レースの戦い方でも彼は着々とノウハウを積み上げ、その走りは安定感と鋭さが両立している。

 今年の琢磨は予選12位だった。4列目外側グリッドと、決して悪くないポジションからスタートを切る。心配があるとしたら、今年の琢磨はプラクティスでの周回数が少ない点だろう。マシントラブルが重なり、貴重な走行時間をロスしてしまったのだ。

 時速370km/h以上という超ハイスピードで周回し続けるインディ500では、乱気流を浴びても安定したマシンを用意する必要がある。かといってダウンフォースをつけ過ぎればトップグループで戦い続けることは不可能。マシンがグリップを失わない、ギリギリのところを見出す必要があり、そこが極めて難しい。しかし、琢磨は過去6回のインディで蓄えた経験を基に、予選後の月曜のプラクティスでマシンに対する手応えを掴んだようだ。

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