Q3初進出の裏で、ホンダとマクラーレンの間に流れる不穏な空気 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 しかし、フロントウイングはひとつしか間に合わず、しかもそれを使わなかったアロンソのほうが予選で上位にいくという結果。つまり、アップデートが期待どおりの効果を発揮したとは言えなかったのだ。

「Q3進出」という結果に目を奪われがちだが、バトンが微妙な表情を崩さなかったのはそのせいだった。

「(低速の)最終セクターでは3番目に速いマシンで、僕らより速いのは、メルセデスAMGとレッドブルだけだった。ロシアでも、同じくストレートの少ない最終セクターではコンペティティブ(競争力がある状態)だった。車体性能でフェラーリやウイリアムズ、フォースインディアなどの前に立てたことは、多くの人にとっては驚きだったかもしれないけど、僕らにとってはそうでもなかったよ」

 アロンソはそう言って、車体性能のよさと、暗にホンダ製パワーユニットのパワー不足が予選10位にとどまっている原因であることを示した。

 別の場所では、スポーティング・ディレクターのエリック・ブリエも、「去年、我々のマシンは3番手だった」と述べたという。

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者は現状について、「そう思いますよ。我々もパワーが足りていないということに対して、異論はありません」と認める。

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