F1最年少優勝を自ら引き寄せたフェルスタッペン「18歳の冷静力」 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「正直、とても厳しいだろうとは思っていたよ。でも、そうと決まったら気持ちを切り替えてそこに集中し、可能なかぎりタイヤをコントロールするしかない。それでも最後の10周なんて、ものすごくスライドするし、氷の上を走っているような感じだったからね。でも、最終セクターをいかにマネージメントし、スライドさせすぎず、シケインから最終コーナーをうまく立ち上がるか――。それがすべてだったんだ。バルセロナの勝利の多くは、そうやって手に入れられたものなんだと思うよ」

 ライコネンを秒差で抑え続け、タイヤを最後まで保たせたことで、3ストップ作戦のベッテルとリカルドは追いつけなかった。巧みなドライビングで2ストップ作戦を成功させたことで、最速だったはずのフェラーリ&ベッテルを寄せつけず、気づけば首位のままで66周を走り切ってしまったのだ。

 こうして、「18歳の史上最年少ウィナー」は誕生した。

「最大のポイントは、彼の冷静さだと思う。最後の5~6周はタイヤライフがギリギリで、首もとまでキミが追いかけて来ていて、非常に緊迫した状況だった。それでもマックスは無線で、『(周回遅れに)ブルーフラッグを出してくれ』と頼むのも冷静だったし、興奮したり、パニックになるようなことも一切なかった。若いのにすべてをきちんとコントロールしていたんだ。週末を通してひとつもミスを犯さなかった。本当に素晴らしい仕事をしたよ」(ホーナー代表)

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