F1最年少優勝を自ら引き寄せたフェルスタッペン「18歳の冷静力」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「僕はこのチャンスが与えられたことを嬉しく思うし、これを最大限に生かすことだけに集中したい」

 同じレッドブル育成ドライバーの先輩であるダニール・クビアトがロシアGPでクラッシュを演じ、彼を蹴落とす形でトレードの決定が下された。しかし、その裏にはメルセデスAMGやフェラーリなどトップチームがフェルスタッペンに触手を伸ばしてきており、レッドブルが引き留めのために本家チームへと昇格させた、という事情もあった。

 つまり、メルセデスAMGの自滅によってトップに立てたのは幸運だったが、そのために必要だったレッドブル移籍は、彼のこれまでの努力があったからこそ与えられたものだったのだ。

 首位ダニエル・リカルド、2位マックス・フェルスタッペン。しかしその後方からは、スタートで出遅れたフェラーリ勢が忍び寄ってきた。純粋なペースでは、彼らのほうが0.5~0.7秒は速かった。

 しかし、このこともまた、フェルスタッペンに味方した。

 66周のレースを走り切るための定石(じょうせき)は、2ストップ作戦。しかし、レッドブルを逆転するためにフェラーリ勢はセバスチャン・ベッテルを3ストップ作戦に切り替え、レッドブル勢に抑え込まれずに本来のペースでプッシュする戦略を選んでくるのは明らかだった。

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