序盤戦で見えたシボレー勢優位。ホンダは琢磨&レイホールが猛追中 (5ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 エアロキットやエンジンの開発を担当するホンダ陣営のエース、アンドレッティ・オートスポートは開幕戦でこそ2012年チャンピオンのライアン・ハンター-レイが3位で表彰台に上ったが、その後は4台揃って苦戦をしている。チームはシーズン序盤の4戦を終えた後、「エアロキットへの理解度だけでなく、サスペンション・セッティングにも改善の余地がある。休みないハード・ワークで巻き返す」と、苦境からの脱出、そして優勝争いへの復帰を誓っていた。

 インディカー7年目、AJ・フォイト・レーシング4年目、ジャック・ホークスワースをチームメイトに迎えて2年目の佐藤琢磨は、セントピータースバーグで6位、ロングビーチで5位と、得意のストリートで好成績を挙げ、ランキング9位につけている。

 今年の琢磨の戦いぶりを見ていると、チームが総合力を上げていることが感じられる。エンジニアリング部門が強化され、2人のドライバーたちは異なるセッティングを試して情報交換し、マシンのレベルを短時間で向上させている。2台体制のメリットを昨年よりはるかに大きく享受できているのだ。クルーたちも、レース中のピット作業のスピードと安定感を昨年までより一段レベルアップしてきた。このような環境が整うことで、ドライバーたちはレースを戦うことにより集中ができる。

 琢磨が表彰台に上り、キャリア2勝目を挙げる可能性は、昨シーズンより確実に高まっている。

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