序盤戦で見えたシボレー勢優位。ホンダは琢磨&レイホールが猛追中 (4ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 スタート位置が後ろになるホンダ勢は、シボレー勢の分厚い壁を突き抜けないと表彰台に到達できない。それを実現できたのは、4戦で2人だけだ。昨年導入したエアロキットが戦闘力不足で、その遅れを取り戻すべく奮闘を続けているホンダは、インディカーの救済ルールによって2016年用エアロキットの性能を向上させた。あとは各ユーザーがそれをいかに効率良く使い、持てる性能を引き出すかなのだが、ホンダが全力で技術的サポートを行なってはいるものの、シーズン序盤ではまだライバル陣営に追いつくことができていない。

 しかし、差は確実に縮まっている。中でも健闘しているのが、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングと、彼らのドライバーであるグレアム・レイホールだ。強豪チームが4台体制で豊富なデータを武器として戦う中、レイホールはルーキーが時折スポット参戦するだけの、ほぼ1台体制。それでも、27歳の若さながらチームでリーダーシップを発揮するグレアムは、闘志剥き出しの走りでフェニックスとバーミンガムで上位フィニッシュ。その孤軍奮闘ぶり、アグレッシブな走りで急速にファンを増やしている。

 彼らのエンジニアリング・スタッフは、昨シーズンからホンダのエアロキットの特性を一番深く理解し、性能を引き出していた。だからこそ、空力の重要度が高いフェニックスで5位という好成績を残し、バーミンガムではパジェノーとの優勝争いを繰り広げ、一時的にトップに立つ活躍を見せることとなった。結果は2位だったが、4戦を終えてランキングは6位につける。昨シーズン2勝を挙げた彼らは今シーズン、さらなるチーム力アップ、成績アップを目指している。

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