スーパーフォーミュラ開幕。本気の小林可夢偉「僕は逃げませんよ」 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・写真 text & photo by Yoneya Mineoki

 タイヤのもっとも"美味しい"周回を使えず、翌周にアタックし直しても、時すでに遅し......。可夢偉は、Q3に進んだ8台中8位の結果に終わった。

 優勝を狙うためには、絶対に欲しかった上位グリッド。だからこそ攻めた。そんな肝心な場面で犯してしまったミスに、ピットに帰ってきた可夢偉は恥ずかしそうにチームスタッフたちに詫び、机に突っ伏した。

「僕の失敗です。カッコ悪い失敗をしちゃいました。Q2までの流れを見て、山本(尚貴)まであと0.15秒っていう数字が出てたんで、がんばればなんとかなるんじゃないかって欲をかきすぎたのがアダになりました......。その失敗以外はすごくいい感じやったから、心が痛いし、二度と言わせないでください(苦笑)」
 今年から使われることになったヨコハマタイヤは、グリップのピークを掴むのが難しい。名手と言われるドライバーでさえスピンする場面が多々見られたのは、そのせいだった。

「去年の感覚で最後に『いっちゃえ!』って攻めると、裏目に出てるんですよ。今までスピンするところなんか見たこともなかったようないろんなドライバーがスピンしてるのも、そのせいやと思う。僕自身、このタイヤにもうちょっと慣れる必要があるかなと思います」

 優勝を狙っていたはずの開幕戦で、まさかの8番グリッド。目標は「予定変更で表彰台狙いへ」。

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