2016.04.20

ホンダを覆う「どんよりした空気」。
2台完走もドライバーは不満顔

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ダウンフォースの少ないマシンでは、タイヤを押さえつけて発熱させ、本来のグリップを引き出すことができない。むしろ、滑って表面だけがオーバーヒートし、タイヤの性能低下は速く進んでしまう。

「空力的にピーキーでセットアップの幅が狭いため、そこに合わせ込むのが難しい」(前出のエンジニア)

 事実、中国GPでも金曜フリー走行のラップタイムは散々なものだった。ペースの遅さもさることながら、ソフトタイヤが15周にも満たない周回数で終わってしまう。チームはこれを改善すべく、金曜の夜にセットアップ変更を施したが、土曜日は雨で確認ができないまま、ぶっつけ本番で決勝に臨まなければならなかった。そのため、決勝のタイヤ戦略は混乱し、遅いが長く保つミディアムタイヤを中心とした"耐えるレース"にならざるを得なかった。

「今週はピレリの規定内圧が高い(昨年比でフロントが+1PSI、リアが+1.5PSI)せいで、あちこちでフワフワと浮いて走っているような感じなんだ」

 バトンがそう訴えていたように、最低内圧規定の高さに苦しんだチームも少なくなかった。内圧が高いと、接地面積が減ってグリップが下がるだけでなく、オーバーヒートが起きやすくなる。

「たしかに内圧は上げた。しかし、走行時の実際の上がり幅はそれよりも小さいんだ。いくつかのチームはタイヤを冷やす方法を見つけ出しているからね」