インディ第2戦はシボレー勢が上位独占。ホンダは巻き返せるのか (5ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 しかし、空力によって生み出される巨大なダウンフォースによって走行するマシンの安定感は非常に高い。タイヤはガッチリと路面をグリップしているために摩耗が少ないから、周回を重ねても操縦性低下が起こらず、オーバーテイクのチャンスが生まれにくい。手に汗握る豪快なパッシングは幾つか見られたが、近年のインディカー・シリーズならではの“抜きつ抜かれつの息詰まるバトル満載”というレースにはならなかった。

 ある程度の間隔を保って20数台が1列での周回を重ね、バックマーカーに追いついたトップがそれをなかなかパスできないような状況では、予選から走行パフォーマンスで優位にあったシボレー勢が燃費セーブでも有利だった。来シーズンは、ダウンフォースを小さくさせるなどのルール変更が必要だろう。

 今シーズン、もうショートオーバルでのレースはアイオワ・スピードウェイでの1戦しか残されていないが、そのレースが行なわれる7月までにホンダはエアロキットの性能向上を図らねばならない。改造や新パーツの投入はルールで許されていないので、今あるパーツのコンビネーションで最大限のパフォーマンスを引き出すことが求められる。

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