インディ第2戦はシボレー勢が上位独占。ホンダは巻き返せるのか (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 レースでは予選ほどの差は出ない。昨シーズンも見られた傾向だ。しかし、予選で出た差がレースで完全に消え去ることも、去年と同様なかった。優勝はディクソン。2位はシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)で、3位はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。シボレーは今季初の表彰台独占で開幕2連勝。シリーズの2強、ペンスキーとガナッシが開幕2戦を1勝ずつで分け合った。

 ディクソンの優勝は、最速作業を繰り返したピットクルーの功績が大。1回目のピットストップで5位から2位に上がり、前を走るモントーヤがタイヤトラブルで失速してトップに躍り出た。そこからは、冷静でスマートな走りが身上で“アイスマン”とも呼ばれる彼がタイヤを労(いた)わり、燃費もセーブしながら完璧にペースをコントロールした走りで勝利を手に入れた。

 予選は今ひとつだったチーム・ペンスキーの2人がレースでは奮闘した。パジェノーは10番手グリッドから2戦連続2位でポイントリーダーに。開幕戦欠場のパワーは予選9位からトップ3に食い込み、シリーズポイントで上位陣に大きな差をつけられずに済んだ。

 ペンスキー勢の予選上位ふたり、カストロネベスとモントーヤは序盤のタイヤトラブルで優勝戦線から脱落した。「(マシンの破片か何かを踏んで)タイヤをカットした」と2人は言っていたが、マシン・セッティングとドライビングでタイヤにストレスをかけ過ぎたというのが真相だろう。2人とも右フロント・タイヤの内側トレッドにダメージが出ており、走行距離もレースペースで40周弱をこなしたところと、症状がまったく同じだった。

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る