【F1】ホンダの新人バンドーン初入賞も、
気がかりな総帥の口出し

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 そして、今季初入賞を果たし、マシンポテンシャルを確認できたことも大きかった。バトンも7周でリタイアしていなければ、ウイリアムズ勢と戦え、さらに上位にいたはずだ。

「きちんと戦えればポイント圏内を争うことができることが確認できたのはポジティブです。しかし、中団はかなりの接戦ですし、入賞できるかどうかのボーダーライン上にいることもまた事実です」(長谷川総責任者)

 だが、バトンのパワーユニット(PU)にはトラブルが出た。詳細は今後の分析を待たなければならないが、「パワーを失ってマシンを止めたら、PUが止まった。おそらくハードウェアの問題だろう」という。

「今年は信頼性をきちんと確保してレースに臨むというのが第一だと思っていましたから、個人的には残念ですし、ガッカリしています。もちろん、信頼性があっても11位・12位で完走しているようでは嬉しくありませんが......」(長谷川総責任者)

 エースの欠場という慌ただしさのなかで迎えたバーレーンGPでは、チーム側としても、パワーユニット側としても、それぞれに明暗の両方が見えた。着実に前進していることはたしかだが、さらに前へと進むためには、もう一度立ち止まって根本から見直さなければならないところがある。もしかすると今、マクラーレン・ホンダはそんな岐路に立たされているのかもしれない――。


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