MotoGP開幕。ロレンソ今季1勝目の陰で光った、スズキの逸材 (4ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 今回の開幕戦では、スズキ陣営が戦闘力をパワーアップさせてきたマシンのポテンシャルを最大限に発揮しながら、予選ではフロントロー3番手を獲得。決勝でも中盤までトップ争いに食らいついていたものの、最後はダニ・ペドロサ(レプソル・ホンダ・チーム)の背後で6位のチェッカー。

「スズキは冬の間にとても頑張っていいバイクに仕上げてきてくれた。トップを争うにはまだ完璧じゃないけど、だいぶよくなったと思う」と、ビニャーレスはマシンの性能向上を高く評価したうえで、レース中の走りに関しては、「ダニの後ろにいて思ったのは、グリップがもっといるな、ということ。それと、パワーがもっとあればオーバーテイクしやすくなると思う」と振り返った。

「開幕戦はトップシックスという目標を立てていたので、それは達成できた。でも、予選もよかったし、決勝前のウォームアップも2番手タイムだったから、心情的にはもっと上を狙いたかったんだけどね。今日はトップ勢の後ろで走っていて、『ああ、これなら自分もできるな』と思った。スズキには頑張ってさらにいいバイクを仕上げてほしい」

 マルケスと同様に、将来のMotoGPを担っていくであろうことが確実なこの選手の走りに注目すれば、2016年のMotoGPはさらに奥行きのある楽しみ方ができるだろう。

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