佐藤琢磨、インディ開幕戦6位に手応え。ファステストラップは2番手 (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 優勝争いの常連になり、チャンピオンの座を争うチームとなることを目指すAJ・フォイト・レーシングは、2015年に2台体制に拡大し、琢磨をエースに、2台目には若手のジャック・ホークスワースを乗せている。マネジメントスタッフの補強とエンジニアリング部門の強化も行なった彼らは、同じドライバーラインナップながら、2015年より明らかに高いパフォーマンスを実現していた。

 琢磨とジャックはマシン・セッティングの項目を分業でこなしてデータを集め、プラクティスを重ねるごとにスピードアップしていった。3段階で争われる予選では、2人が揃って第2ステージに駒を進めた。6人でポールポジションを争うファイナルステージこそ進めなかったが、2人以上を第2ステージで戦わせたのは、セントピータースバーグを大の得意とする強豪チーム、ペンスキーを除くと、フォイトだけ。昨シーズン、11回目のシリーズチャンピオンとなったチップ・ガナッシ・レーシングも、ホンダのトップチームであるアンドレッティ・オートスポートも、1人ずつしか第2ステージに送り込むことはできなかった。

 決勝はポールポジションを獲得したウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が体調不良で欠場したため、琢磨は10番グリッドからスタート。グリーンフラッグ直後のターン1では、殺到したマシン群の中で小さな接触が幾つも発生し、琢磨は右リヤタイヤをカットされて最後尾まで順位を下げた。いきなり大不運に見舞われてしまったのだ。

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