マクラーレン・ホンダを叩く、第2集団最大のライバルはここだ (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 その理由は、レースシミュレーションにあった。

 メルセデスAMGは初日と2日目、フェラーリは3日目と4日目に、フルレースシミュレーションを敢行した。これは、スタートからピットストップとタイヤ交換まで含めて、66周のレースをすべて通して行なうというもので、燃料搭載量をごまかすことができないだけに、三味線を弾く余地が存在しない。

 そのタイム推移を比較してみると、驚くべきことが見えてくる。

 2日目のロズベルグは、ソフトタイヤで1分28秒台後半のペースからレースを開始しており、1分29秒代前半のフェラーリ勢に対して優位に立っている。しかし、ミディアムタイヤに交換した8周目以降は、ロズベルグの1分29秒後半~30秒前半というペースに対し、フェラーリ勢は1分29秒前半~30秒台中盤というペースで周回を重ねた。

 つまり、このタイヤを20周ほど保たせるための走りという点では、フェラーリに軍配が上がっているのだ。この傾向は第3スティント(※)でも明らかで、クルマが軽くなった最終・第4スティントだけはメルセデスAMGが1分27秒台を並べて、フェラーリよりもやや上のペースで走っていた。

※スティント=ピットインから次のピットインまでの間のこと。第1スティントは、スタートから1回目のピットインまでの間を指す。

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