エアレース開幕戦は大波乱。まさかの失格者続出に室屋義秀も困惑 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 パイロットたちは手探り状態のまま、やむなく本選のレースに臨むしかなかった。

室屋も新たなG計測システムに対応しきれず、結果は8位にどどまる (c)red bull室屋も新たなG計測システムに対応しきれず、結果は8位にどどまる (c)red bull「まだ(計測システムの傾向を)つかみ切っていないという感じ。というより、そもそもデータが安定しているのかっていう疑問がある。昨季のフライトをしていたら毎回12Gオ-バー。一発でアウトだから」

 室屋は吐き捨てるようにそう言うと、不安を抱えたまま本番に向かっていった。こんな状況のまま行なわれたレースが、順当に進むはずはない。

 R 14では、マット・ホール(昨季年間総合2位)がターンの難しさを意識し過ぎたのか、痛恨のパイロットヒットで早くも敗退。マルティン・ソンカ(同4位)もDQを犯して姿を消した。さらにR8では、室屋(同6位)がオーバーGを取られてDNF。最後のファイナル4でも、ハンネス・アルヒ(同3位)がDQを取られて失格となった。

 昨季の年間順位上位者が次々に姿を消す大波乱のレースは、終わってみれば、昨季年間総合9位のニコラ・イワノフが優勝。2位は同5位のマティアス・ドルダラーだったが、3位には何と昨季年間最下位(14位)のフランソワ・ルボットが食い込んだ。これが競馬なら、まさに百万馬券級の3連単である。

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