大丈夫かマクラーレン・ホンダ?挙動は不安定、パーツも届かず (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  photo by Honda Racing

「限界ギリギリを攻めていけば、時にはこういうこともある。そんな大袈裟なドラマではないし、別に珍しいことではなく、シーズン中にも毎レースのように起きていることだよ」

 ブリエとしては、テストで走行距離を重ねたにもかかわらず好タイムが出ていない理由を、2016年フル仕様が間に合わなかったことにこじつけたいのだろう。しかし前述のとおり、バルセロナでタイムが出せなかった理由は、別のところにある。

 それに、ぶっつけ本番となる2016年フル仕様の『MP4-31』は、本当にメルボルンできちんと走ることができるのか――。バルセロナでの苦戦ぶりを見るかぎり不安を禁じ得ないが、ブリエは自信があると語る。

「自信は100%だ。今のところ、我々の持ち込んできたものはきちんとコラレーション(デザインと風洞と実走の誤差確認)が取れているからね。その数字が我々に、今後の開発に対しての自信を与えてくれる」

 現実的にラップタイムを分析すれば、現時点でのマクラーレン・ホンダのQ3進出は難しいかもしれない。開幕戦までに残された1週間半の時間でどこまで挽回することができるか......。そこが勝負だ。

 第3期F1活動で、現在はメルセデスAMGのファクトリーになっているブラックリーのチームとともに働いた経験を持つ長谷川総責任者は、マクラーレンに対して信頼を寄せている。

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