小林可夢偉、WECとル・マンを語る「バカでは乗れないマシンです」 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  photo by Kyodo News

「たとえば、誰かが完璧に攻めて走ろうと思ったら、シートポジションから争いになるし、そうするとシートが合わなくてうまく乗れないという人も出てきます。つまり、WECで求められるのは、そういうレベルの争いじゃないんです。そのなかで自分の力を最大限に生かして戦って、『ひとつ欠けてもこういう結果にはならなかったね』と言えるような仕事をしなければいけないと思っています」

 そういう意味ではWECに関して、可夢偉はチームとして勝つことを目標に掲げている。元F1のマーク・ウェバーのような他メーカーのドライバーたちも、チームメイトの中嶋一貴も、可夢偉は意識していないという。

「全然意識してないです。ドライバー同士で戦うようなレースではないし、チームで力を合わせていかに戦うかのほうが大切ですからね。一貴はスーパーフォーミュラで戦えばいいし。極論を言えば、チームにとってはル・マン24時間も(今季のトヨタ2台のカーナンバー)5号車か6号車、どちらかが勝てばいいと思うし。もちろん、僕は勝ちたいですけどね」

 2016年は、スーパーフォーミュラでチャンピオンを目指し、WECでもタイトルを目指す。

「WECでの目標は、チャンピオンを獲ることと、ル・マン24時間で勝つことです。それができれば完璧だと思います。クルマの速さと信頼性次第だとは思いますけど、戦うドライバーとしてはそのくらいの心構えと意志を持ってやらないといけないと思っています」

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