【MotoGP】今季初テスト。ヤマハ、ホンダ勢より注目されたライダーは? (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 2番手タイムにつけたロッシも、今回のテストではロレンソが群を抜いて速かった、と素直に認めた。

「ブレーキもハードだし、コーナー進入もよく、旋回速度も高い。全域で速くて、彼はうまく乗れているよ」

 そう話す一方で、ロッシは自分自身もよい感じで準備を整えている、とも述べている。彼がまだ掴んでいない何かをロレンソはすでに見いだしたのだろうか、と訊ねられた際には、こんなふうに話した。

「去年、同じ質問をされたら、『差は大きい』と答えただろうね。開幕に向けて僕たちがやるべきことはまだあるけれども、去年よりはだいぶロレンソに近づけていると思う」

 彼らヤマハファクトリーが1-2タイムで好調な滑り出しを見せたのと対照的に、厳しい走り出しになったのがホンダ勢だ。2013年と2014年を連覇したときのマルケスは圧倒的な速さと勝負強さで、「新時代の天才登場」を大きくアピールした。しかし、昨年は苦戦を強いられ、ランキング3位で終えた。今回のセパンテストは、ヤマハの2台にタイム面で少し引き離される3番手タイムで、課題含みのシーズンスタートになった。

「まだ僕たちは100パーセントで攻められるほどの仕上がりじゃないんだ。だから、そこまでプッシュはしなかった。その証拠に、今回は一度も転倒しなかったでしょ(笑)。詰めていかなきゃいけないことはたくさんあるけど、残りのテストでがんばるよ」

 マルケスは明るい表情でそう話しながら、次回以降のテストに希望をつないだ。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る