18歳女子レーサー、小山美姫。
今はF4も「夢はやっぱりF1です」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

――レース現場に来て、「お掃除のお姉さん」と言われているときは、どんな気持ちでしたか?

小山 「いつか絶対に乗ってやる」「乗ったら私のほうが速いんだ!」って思いながら、とにかく今ある環境のなかで学べることはできるだけ学ぼう、という気持ちでした。乗れないなら乗れないなりに、外から見てわかることもあるだろうと思って、お手伝いでカウルの掃除をしながらレースをしっかり見て吸収して、自分にチャンスが巡ってきたときには全開で行けるようにと。

――その後、miNami aoYamaのマシンでFIA-F4終盤2ラウンド4戦に出られることになったときの気持ちは?

小山 「え、うそ?」って思いましたね(笑)。絶対に乗ってやると思ってはいたけど、まさか乗れる場所がmiNami aoYamaだとは思ってなかったので、とにかくビックリしました。そのときはまだ、普通運転免許もなかったし。

――そして実際にデビューしたものの、成績は......(28位、26位、26位、26位)。

小山 いやぁ(苦笑)。

――もっと上に行けると思っていました?

小山 思っていました。でも、実際に走ってみたら結構遅かった。『ちょー遅いじゃん!』って(苦笑)。思いどおりに走れなくて、情けなくて涙が出てきました。

――自分が思ったようなレースはできませんでしたか?

小山 練習走行がほとんどできないまま、いきなりレースをしなきゃならなくて、自分の限界を超えた走りをしてクルマを壊すわけにはいかなかった。どこまで攻めたらスピンするかもわからないし。

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