汚名返上の2016年、ホンダは本当に勝つことができるのか? (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

「来年いきなり優勝するとか、表彰台の常連になるということは難しいと思います。でも、今年のようなことはないし、常にポイント圏内で争うところには行けます。そして、表彰台のチャンスが巡ってきたときには、それが掴める位置にいたいですね」

 あるエンジニアは、冷静にそう言った。

 メルセデスAMGは来季も強さを保持すると予想されるので、表彰台の常連になるということは、つまり2番目に速いチームになる必要がある。だが、それが簡単に果たせるほど甘くはないということだ。

 よりいっそう激しさを増すであろう中団グループのなかで、その上位には行く――。それが、技術者として現実を見据えた上でのホンダの「2016年のターゲット」だ。

「今年のこの結果を見れば、技術や努力が足りないことは明らかです。しかし、我々は今年1年でいろんなことを学びましたし、それを生かして来年のパワーユニットにまとめ上げたいと思っています」(新井総責任者)

 栃木県のF1開発拠点『HRD Sakura』では、年末年始も休みなく開発が続けられている。

 2016年のホンダには、我々の「期待」を超える「希望」を、かたちにしてもらいたい。

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