苦渋を味わったアロンソとバトン。ホンダドライバーの本音は?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 アメリカGPから実戦使用が始まった『スペック4』のパワーユニットは、ディプロイメント(エネルギー回生)不足の課題こそ残されたものの、ICE(内燃機関エンジン)と排気管は最大限に開発が進み、基本出力としてはまずまずのレベルに到達していた。

 そしてパワーユニット面だけでなく、車体面でもセットアップを大幅に見直したことでマシン挙動が改善された最終戦のアブダビGPは、マクラーレン・ホンダとしての進歩が確実に見えたレースだった。

 アブダビでは、ジェンソン・バトンも笑顔でレースを終えた。

「レースをする喜び、という意味では、アブダビGPが今季のベストレースだった。オーバーテイクをしたり、他のマシンを抑え込んだり、そんなことは今年ほとんどできなかったから、とても楽しかったよ。クルマが今シーズンでベストな状態だった。もちろん、まだ最速ではないし、まだまだ改善は必要だ。あらゆる部分でね。僕らが改良を必要としているのはパワーユニットだけでなく、空力面でも進歩が必要だし、メカニカル面もそうだ。トップからは遅れを取っている。マシンのどこかひとつに原因があるわけではなく、あらゆる箇所を進化させなければならないんだ」

 また、バトンは「燃費が苦しかったこと」を付け加えることも忘れなかった。

「他車は燃費のセーブなんてしていなかったと思うけど、僕らはそれをずっとやらなきゃならなかった」

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