【エアレース】最終戦4位の室屋義秀。「来年は年間総合優勝を狙う」 (4ページ目)
「相手のタイムが分かったうえでフライトをコントロールできていたので、全開で攻めていたわけではない。こういう戦いをすればファイナル4まで常に残っていけるんだと感じたし、どうゲーム(レース全体)を戦っていけばいいのかという手応えをつかむことができた」
室屋は常々、「チームが機体をセットアップすることと、パイロットが安定してテクニックを発揮することが合わさったときに勝てる」と口にしているが、こうして振り返ると、今季はそのふたつの要素が合わさった状態を作り出すための基礎が固まったシーズンだったのではないだろうか。
最終戦直後から来シーズンへの戦いは始まっている ©red bull 室屋のこれまでの成績を振り返れば、自己最高成績は3位止まりであり、まだ優勝は一度もない。これで年間総合優勝を目標に掲げるのは、時期尚早なのかもしれない。
だが、今季後半戦で加速度的に成績を伸ばし、最終戦では負けてなお強しを印象づけたことを考えると、2016年の室屋がどんな成績を残すのか、期待は高まる。
「(2013年までのエアレース中断期間が明けて)今季はリスタートから2年目。勝つチーム体制を作ったシーズンであり、来年につながるシーズンだった」
そう語る室屋は、力強くこう続けた。
「来年は初戦から勝ちにいくし、年間総合優勝を取りにいく」
決して絵空事ではない。すでに予兆は見えている。
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