【MotoGP】劇的展開の日本GPはホンダのペドロサが制す (4ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 レース終盤、ペースを維持できなくなったロレンソは、ロッシにもオーバーテイクされて3位でチェッカー。2位のロッシが20ポイントを獲得し、ロレンソは16ポイント加算で終わったために、ふたりの得点差はさらに4点広がって18ポイントになった。チャンピオン争いでは、ロッシがわずかながらさらに有利になった状態だ。シーズン残り3戦はロレンソの結果にかかわらず、自分が毎戦2位でゴールすれば年間総合優勝を獲得できる計算になる。

 だが、ロッシ自身は、「実際のレースではたいてい計算どおりになんてならないのだから、得失点を気にせずに、とにかく毎戦ホルヘの前でゴールすることを目指す」と話している。

 チャンピオンシップの帰趨(きすう)はともかくとしても、今回の日本GPは刻々と移り変わる自然条件という巧(たく)まざる演出効果で、レース序盤・中盤・終盤と展開が劇的に変化し、会場の観戦客はレースの醍醐味を満喫したことだろう。

 この日、ツインリンクもてぎを訪れた大勢のレースファンは、冷たい雨に濡れながらひたすら決勝開始時刻まで待ち続けていたのだから、その我慢と引き替えに、抜群に面白いレースを目の前で堪能できる恩恵くらいは受けてもいい。

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