【MotoGP】劇的展開の日本GPはホンダのペドロサが制す (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

ロッシ(左)は2位に入り、チャンピオンシップ争いでさらに有利となったロッシ(左)は2位に入り、チャンピオンシップ争いでさらに有利となった 決勝レース序盤は、まさにそのとおりの展開になった。フルウェットの路面でもロレンソは、いつもどおりの速さを発揮。背後につけるロッシをもあっという間に引き離して、独走状態に持ち込んだ。しかし、雨の上がったサーキットは路面状態が変化し、選手たちの走行ラインは周回ごとに少しずつ乾いていった。レース序盤から攻め続けたロレンソのフロントタイヤは誰よりも早く摩耗し、ラップタイムの落ち幅も大きくなった。

 一方、ペドロサはレース序盤に、「あまりいいフィーリングではなかったので、慎重にいった」ことが功を奏し、それが少しずつ乾いてゆく路面に対してタイヤを温存することにもなって、一貫したラップタイムを維持できていた。着々と差を詰め始めたペドロサは、前をいくアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)とロッシを次々とパスし、そしてロレンソを鮮やかに抜き去って、ついにトップに立った。

 ペドロサは前戦のアラゴンGPでも、終盤までロッシと熾烈なバトルを繰り広げて競り勝ち、2位表彰台を獲得している。今年はシーズン序盤に腕上がり(前腕の酷使により筋膜に腫れと痛みが出る症状)の手術で数戦を欠場し、チャンピオン争いからは早々に脱落したものの、アラゴンの2位と今回の勝利により、今まで以上の強さを得て復調を果たしたことを強く印象づけた。

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