【MotoGP】劇的展開の日本GPはホンダのペドロサが制す (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 土曜の予選で素晴らしい速さを見せたのは、ランキング首位のバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)だったが、ロレンソのタイムアタックはさらにそれを上回る速さで、ポールポジションを獲得した。この段階では、優勝候補はダントツでロレンソ。それに対し、ロッシが老練な技術と戦略でどこまで肉薄して勝負できるか、というものが大方の見方だったように思う。

 日曜の天候は秋晴れから一転して、未明から雨が降り、路面はしっぽりと濡れそぼっていた。気温も低く、前日までと180度異なるフルウェット状態で行なわれた午前の20分間のウォームアップ走行は、ペドロサがトップタイムを記録した。

 しかし、この段階ではペドロサの優勝を予測できた者は少なかったのではないだろうか。というのも、土曜の予選でペドロサはトップタイムのロレンソから0.792秒差の6番手タイムで、彼自身が厳しいレース展開になるであろうと口にしていたからだ。典型的なストップ&ゴータイプのコースレイアウトに合ったマシンセットアップで課題を残している、とも話しており、どこに問題があるのか彼に訊いてみると、「ホルヘは決勝レースで最初から飛ばすだろうから、なんとかしてついていきたいけれども、自分はコーナー進入のブレーキング、立ち上がりの加速、すべてにわたってかなり苦労している」と話した。

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