【エアレース】今季2度目の表彰台。室屋義秀、最終戦で初優勝へ! (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 そんななか、室屋のターンは誰よりも“美しかった”。

 室屋は第7ゲートを抜けると、機体を大きく左に傾けてタイトにターンしつつも、第8ゲートに進入する刹那、機体をきれいに水平に戻して滑るようにゲートを抜け、またすぐに機体を傾けて次のゲートに向かっていく。

 水平にするのが少しでも早かったり遅かったり、あるいは機体を水平にし切れず傾いていればペナルティを取られてしまうが、室屋はもちろんノーペナルティだった。

ファイナル4まで勝ち上がった室屋は、3位表彰台を獲得 ©red bullファイナル4まで勝ち上がった室屋は、3位表彰台を獲得 ©red bull どう見ても疑惑を持たれることのないターン――。それを誰よりも実践していたのが、室屋だった。

 室屋は第7戦を文字通り、美しく勝ち上がった。

 9月26日の予選を自己最高順位タイの2位で終えると、27日の本戦ではラウンド・オブ・14、ラウンド・オブ・8と余裕を残しながらの快勝。ファイナル4ではポール・ボノム、マット・ホールという現在年間総合ポイントで1、2位を占める2強には及ばなかったものの3位となり、再び表彰台に立った。

 室屋はこれが通算3度目の表彰台だが、1シーズンで2度表彰台に立つのは初めてのこと。またひとつ室屋が強くなったことを証明する記録を打ち立てた。来季へつながる確かな手応えとしては十分なものだ。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る